真の自由と自主性を求めて。
本校の校門のわきの小さな庭に、一つの石碑があります。そこにはSICITUR AD ASTRA、「こは星空への道なり」という意味のラテン語が刻まれています。「星空」とは、遥かな理想(あこがれ)の象徴です。この「星空」の碑の原形 は、日本の近代文学史上に偉大な足跡を残した作家であり、本校の名誉校長でもあった野上彌生子先生(1885~1985)が来校された1951年に立てら れました。この時、野上先生が生徒への講話の中で述べられた「女性であるまえにまず人間であれ」という言葉は、本校の教育指針の一つとして、今日に至るま で本校で学ぶ生徒たちを励まし続け、支えとなってきました。
本校は、<自由と進歩>の学風を揚げる法政大学の付属高校として、創立66年目(前身である潤光学園から数えると82 年目)を迎えます。私たちは、創立以来、自主性と社会性をそなえ、それぞれの個性と才能を発揮していける女性の育成を目標に、生徒一人ひとりが学ぶ権利を 自覚し、自由に物を考え、言葉と身体を使って自分自身を豊かに表現できる力を身につけることをめざしてきました。生徒の自治活動を尊重し、生徒と教師が力 をあわせて作り上げていく学園の中で、生徒たちは自由と責任、自主性の意味を学んでいきます。
学習やクラブ活動にはげむキャンパスでの生活に満ちた毎日は、明るさとのびやかさにあふれています。私たちは、遥かなるものに憧れ、未来に歩んでいこうとする若々しい魂を「星空」へと導くたしかな「道」でありたいと思っています。